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zoom RSS No.2 資本主義の終焉の始まり〜「解放の神学」とマイケル・ムーア「キャピタリズム」〜

<<   作成日時 : 2011/08/03 06:28   >>

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 (つづき)



 
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 聖職者達が口を揃えて「資本主義は邪悪なもの」と語る光景には、かつて「解放の神学」を彷彿される。

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 「解放の神学」とは、東西冷戦の中中南米諸国の聖職者が唱えた独裁政権批判とその打倒運動である。

 東西冷戦期、ラテンアメリカ諸国はアメリカの「アメリカの裏庭」としてアメリカの傀儡政権が強権的な民衆支配を続けていた。

 豊富な資源はアメリカの企業にその権益を握られ、民衆は強権支配と同時に貧困に苦しんでいた。

 アメリカ政府やCIAは「ドミノ理論」を掲げ、一国でも傀儡政権が打倒されると、ドミノ式に「アメリカの裏庭」は東側陣営に覆る事を恐れ、軍事独裁政権に数々の援助を行い間接的に民衆を弾圧し支配し続けてきた。

 そのような中、共産主義革命を指向したゲリラ運動とキリスト教の聖職者が人権と貧困からの脱却を目指して、傀儡政権打倒を目指して活動していた。

 このように聖職者が政治に関わる点、とりわけ唯物論を唱える共産主義勢力との連携に対してキリスト教の総本山であるバチカンは激怒し、聖職者達を除名処分とした。

 しかし聖職者達は「現実を見て欲しい」とローマ法王に要求した。

 ローマ法王は現地を視察し、あまりにも酷い窮状に解放の神学を唱える聖職者達の行動を支持し、彼らの行為を容認した。

 これを契機にエルサルバトルやグアテマラでは革命政権が樹立された。

 しかし、アメリカは黙っていない。

 キューバのように経済制裁や反共勢力への資金援助により反革命勢力が力を盛り返す。

 1970年頃、民主的な選挙で世界で初めて社会主義政権がチリで誕生したが、大統領のアジェンデはマルクス主義を掲げながら平和裏に反対勢力と接したが、アメリカ・CIAの強いテコ入れで、軍部にクーデターを起こさせ、アジェンデ社会主義政権はあっけなく崩壊し、アジェンデは大統領府からラジオで演説中、軍部の空爆に遭い殺害された。

 冷戦終結から間もなくしてようやく、ラテンアメリカ諸国で軍事独裁政権を打倒し社会主義と反米を掲げた左派政権が続々と誕生した。

 度重なるアメリカの干渉に遭うも左派政権はキューバのカストロ政権やベネズエラのチャベス政権などと連携し合い、ラテンアメリカは「反米大陸」と化した。

 しかし、経済のグローバル化に伴い多くの国が、外資を導入し急速に経済成長へと舵を切る。

 ブラジルの社会党ルーラ政権を筆頭に社会主義の旗を降ろし、経済発展の為グローバル経済競争に参入している。

 結局、経済のグローバル化と外資導入により経済成長の道へと傾斜しているが、「BRICs」・「Vista」と呼ばれる
途上国は著しい経済成長を遂げているが、国内の経済格差と急激な物価上昇で民衆の不満が高まっている。

 中東諸国では民衆の不満を受けて、労働組合を中心に続々と軍事独裁政権との死闘が繰り広げられている。

 日本の商業メディアは「民主革命」・「フェイスブック革命」としているが、実際は民衆は経済問題を契機に決起した「反資本主義革命」という側面が欠落している。

 中東の民衆は経済格差とインフレから来る経済的貧困に対して怒りを持って立ち上がったのであって、単に民主化を要求しているに留まらない点が伝えられていない。

 所詮、資本主義国内の商業メディア自体、巨大資本であり資本の論理が働き「資本主義の否定という側面」をタブー視せざるを得ない。

 それ故、マイケル・ムーアのドキュメンタリー映画「キャピタリズム」が単に「ウォール街のマネーゲーム」批判と矮小化して捉えられているが、映画を観れば一目瞭然に「資本主義そのものを批判した映画」である事が分かる。

 確かに社会主義=独裁国家というイメージが定着し、資本主義に代わる新たな経済システムはいまだ見えてこない現実はあるが、資本主義の矛盾は世界中で噴出しているのは紛れもない事実であり、先進国では債務問題、新興国ではインフレと経済格差という問題が存在し、どちらの側にも民衆の怒りが渦を巻いている。

 経済成長著しい中国は資本主義の道へ突き進んでいるが、民衆の大半は貧困に苦しんでいる現実がある。

 経済のグローバル化は資本主義のグローバル化でもあり、世界経済の激しい競争に立ち向かうには労働のダンピングにより民衆の生活は疲弊している問題こそ資本主義体制の矛盾として露呈されている。

 逆に資本主義から抜け出すには一国では成し得ず、世界規模での問題と化している。

 マイケル・ムーア監督の資本主義批判映画「キャピタリズム」は一面資本の矛盾をえぐりだしているが、あくまでもアメリカ国内の問題に留まっている点で不十分である。

 しかし、この映画でマイケル・ムーア監督は、この映画の結末で資本主義の理不尽さ嘆き、悲痛な叫びで訴える。

 「資本主義は悪だ。完全に排除しなければ。僕一人では無理だ。この映画を観ている皆さん。どうか闘って欲しい。どうか急いで!」

 同感だが、違和感を覚える。

 というのも民主主義と資本主義を同じレベルで語り、相反する概念で語っている点だ。

 民主主義は上部構造としての政治・社会システムであり、経済システムでは無い点だ。

 民主主義に異論は無いが、経済システムとして資本主義に代わるシステムを民主主義と対置できるのかどうなのか?

 マルクスは下部構造(経済システム)が上部構造(政治・社会システム)を規定するとしており、現実に資本の論理が政治・社会構造を腐食している。

 資本主義という経済システムに民主主義を対置できるとは思えない。

 新たな経済システムが必要であり、それはやはり社会主義の理念が土台となるだろう。

 しかし、旧ソ連や東欧諸国で「社会主義」システムの崩壊が起きた。

 個人的には「社会主義システム」の崩壊というよりもスターリン主義システムの崩壊と捉えている。

 グローバル化した資本主義は世界を席巻し矛盾を引き起こしているのは紛れもない事実であるが、単純に社会主義をスターリン主義として片づける事は難しい。

 スターリン主義の概念も単に「一国社会主義」と捉え得るのかもよくかも難しい問題だ。

 単純に「崩壊したのはスターリン主義であり社会主義では無い」とは言い難い。

 今、中東で革命を成し得たエジプトでは新しい体制の在り方を巡って分岐が生まれており、旧政権が復活しつつあるようだ。

 民主主義を担保し得なかった社会主義の問題をどう克服するかが、資本主義に代わる新たな社会体制の構築を考える上で急務な課題だと思う。


 しかし、日本ではまだまだそのレベルには到達していない現実に虚しさを去来する・・・





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